
現在では牛肉を食べるのは当たり前のようになっていますが、実際いつ頃から、どのような経緯で食べるようになったのでしょうか?
牛肉の歴史
◇旧石器時代~縄文時代
狩猟によってお肉は食べられていましたが、この頃は猪や鹿の肉が主となっていました。
◇弥生時代~古墳時代
この頃から、猪と鹿の他に野うさぎ、そして牛などの肉を食べるようになったと言われています。
◇飛鳥時代~平安時代
6世紀後半、日本に仏教が伝わり675年「殺生肉食禁止の詔」が発令されます。
この状況が1200年以上も続きました。
平安時代になっても、「肉を食べるのは卑しい」「食べない事が高貴な身分の振舞い」という考え方だ ったようです。また、牛などは家畜としての労働力となる存在だったので、余計に食べる対象ではなか ったようです。
◇戦国時代~江戸時代
戦国時代に入り、兵士が戦の時の非常食として肉を焼いて食べるようになりました。
他にも、宣教師の影響で九州を中心に肉食が普及したり、健康回復や病人の養生のための「薬喰い」 が始まります。生ではなく、日持ちさせるために「味噌漬け」や「麴漬け」をさせた最も古い牛肉料理と言われています。
◇明治時代~現在
肉を食べることがタブーとされる風潮はしばらく続きますが、それを最初に破ったのが明治天皇で、その背後にいたのが大久保利通です。
大久保利通は明治天皇に「牛肉は栄養に優れていて健康上大事だ」と勧め、明治天皇自身が牛肉を口にするようになり、天皇自ら国民に牛肉を食べるように促したのです。
肉食解禁の令
キリスト教が解禁され、外国人が入国することになり牛肉の需要が高まっていき、外国人との交流の際に肉食が必要だと判断されたようです。
1872年には天皇により「肉食解禁の令」が発令されました。
肉食が解禁されてからも、反発する人たちは多く、庶民はなかなか牛肉を食べようとしなかったそうです。理由としては牛肉に対する穢らわしさが強く根付いていた事と、今ほどの牛肉処理技術がなく、生臭さなどが原因と考えられます。
牛鍋(すき焼き)
解禁後、「牛鍋(すき焼き)」を出すお店が開店していき、徐々に食されるようになり、結果的に大流行となりました。これをきっかけに牛肉文化は発展していき、牛肉を食べることが「文明開化の象徴」となっていきます。
まとめ

長い間食べられていなかった牛肉。明治に解禁になっていなければ牛肉が美味しいと思わずに過ごしていたに違いありません。今の時代は気軽に食べるのが当たり前でメニューも豊富です。
もっと早く食されていたならもう少し寿命もながくなっていたのかもしれませんね。